三郷市ボランティアセンター

ボランティアセンターレポート

市民が主役になれる場として 〜「青いそら」を訪ねてみた〜

○NPO法人 ワーカーズコレクティブ青いそら○

「ワーカーズコレクティブ青いそら(以下、青いそら)」は、病気や障がいがあっても、社会や人とつながり、学び、成長することを目指し、“コミュニティ・レストラン”の運営や“たすけあい生活サポート事業”などを展開するNPO法人です。
今回は、三郷市早稲田にある「コミュニティ・レストラン 青いそら」を訪ねて、お話を伺って来ました。

ワーカーズコレクティブという働きかた

代表の浅草秀子さんは長年、さまざまなハンディを抱えているかたが集い、対等な関係で働ける場、地域の情報が集まる場が必要だと考えていました。
そうした中、ワーカーズコレクティブ※という働きかたを知り、6人の共同出資者とともに、2004年3月、三郷市田中新田にお店を構えました。
しかし、病気や障がいを抱えているかたやご高齢のかた、家庭で過ごすことも多かった女性たちや様々な事情をもつ人たちが働く場として、利益の追求よりも、まずはみんなが適切な人件費を得て働くことを目標にされていたそうです。
そこで、経営的な負担の軽減やより多くの人たちが利用できる場所への移転を願い、空き店舗になっていた三郷市文化会館内の活用を市に要望をし続けました。この空き店舗について公募が行われた結果、2009年7月、社会貢献度の高い事業に積極的に取り組んでいる青いそらの活動実績が認められ新たなスタートを切ることになりました。

新緑豊かな早稲田公園を一望できる立地に佇む「コミュニティ・レストラン 青いそら」

ワーカーズコレクティブ(Workers Collective)とは、地域住民が出し合った出資金をもとにして住民事業を行ない、運営方式、自主管理の労働者協同組合(事業体)のことです。
1982年に生活協同組合活動を基礎にして神奈川を中心に広まりました。活動の理念は、利益を出すことが優先ではなく、地域社会に必要なものやサービスを作り、地域を豊かにすることを目指しています。
福祉やリサイクル、無農薬の野菜販売など幅広い分野で活躍しています。

安全・安心のコミュニティレストラン

現在、青いそらでは14名のかたが働いています。中には障害者手帳をお持ちのかた、80歳近いメンバーのかたもいらっしゃいます。ハンディのあるかたの職場体験の受け入れにも積極的です。
「さまざまなかたがいますが、仕事は創り出していくものだと考えています。例えば、難病で立ち仕事の難しいメンバーには文書の封詰を担ってもらったり、最年長のメンバーには、彼女だからこそできる昔ながらのかぼちゃの煮つけなどを作っていただりしています。」と、代表の浅草さん。互いの力や個性を生かしながら運営しています。

青いそらで提供している食事は、安全性に配慮した食材を使用し、野菜は地域で生産されたものを中心に使用しています。これらは、ご年配のかたや子育て世帯にも大人気!先日は、高齢者のデイサービス利用者と職員の30名程で来所されたそうです。召し上がられたケーキと紅茶のセットは素敵なお皿やティーカップで振る舞われ、利用者のかたは大変喜んでいらっしゃったとのこと。高齢で思うように外出ができなくなると気軽に喫茶店に立ち寄ることも難しくなりますが、このような機会の提供が生活の潤いに繋がると感じました。

ケーキセット550円。かぼちゃのケーキは自然な甘みがします。

市民が主役になれる場として

青いそらでは食事の提供のほか、コンサートなどのイベントを開いたり、絵画・書などを店内で展示したり、地域のかたの手づくり作品を受託販売しています。並べられた品々をみたかたから「展示されているものを私も作ってみたい」と声が挙がったこともあり、定期的にアーティシャルフラワー教室が開かれることになったそうです。(参加費:材料費・ケーキセット代2,500円※要予約)
また、“介護者のつどい”も定期的に開かれています。これは、さいたまNPOセンターで行われた調査やイベントへ参加し、親の介護を経験したメンバーから「三郷市でも介護者のしんどい気持ちや弱音を自由に語り合える場の必要に気づき、開催することになりました。毎月1回、介護者がリフレッシュできる良い機会となっています。(毎月第4木曜 10時から 参加費:ケーキセット代550円)

さまざまな団体などの情報誌を見ることができます。

点字サークル「ウィズ」の皆さんが作成した点字のメニュー

店内で作品をお預かりし販売しています。(※受託販売 お預かり料:1ヶ月500円+売上の2割)

アーティシャルフラワーの作品

さらに、青いそらの取り組みとして“たすけあい生活サポート”があります。ここでは、公的な制度では対応しきれない細かなニーズに対し、“困ったときはお互いさま”の気持ちの下、会員相互で生活サポートサービスを提供します。(会員登録必要:年間2,000円ほか)具体的なサポートは、買い物、話し相手、送迎、家事などで、現在サポーターと利用者含め80名程が登録しています。
浅草さんは、この取り組みについて次のように話してくださいました。
「公的サービスは、利用時間や利用内容に制約があります。例えば季節の変わり目の衣類の取り出しやカーテンを取り替えるなどは介護保険では出来ません。青いそらのサービスは、公的な制度のすきまをうめる役割を担っています。
例えば、外出支援の際に、目的地までの移動のお手伝いだけでなく、途中で寄り道をして草木の香りに触れてもらう機会を作る。このような対応は制度に縛られないものだからこそ実現できると考えています。
また、サポートをする場合には担当を決めるようにし、信頼関係が保たれやすいように工夫しています。長年お手伝いしている人たちとは、まるで家族のような関係です。相手のことが分かれば、生活上のアドバイスをすることもできますし、この“たすけあい生活サポート”は、その人が日常生活を滞りなく送れるよう、お手伝いをするサービスと思っています。」

人と人との繋がりを大切に

最後に浅草さんに、今後の目標をお伺いしました。
「今考えていることは、市民の皆さんに健康的な正しい食のありかたを青いそらから発信し、その具体例として、手作りの惣菜、ソースやジャムなどオリジナルなものを販売したいと考えています。そのことが食のあり方についての発信なればと思います。」
安全・安心な食事の提供も、生産者との関係づくりから生まれると思います。青いそらでは、どの事業も人と人との繋がりがベースにあるように感じました。どのようなハンディがあっても地域で暮らす人たちが豊かであるよう願い、活動を続けてきた青いそら。
この取材を通じて、改めて市民の目線だからこそ気付けることがあり、その“あったらいいな”という思いを実現されている皆さんの力強さを感じました。

この日のメンバーで記念撮影!(右が代表の浅草さん)

NPO法人ワーカーズ・コレクティブ 青いそら
埼玉県三郷市早稲田5-4-1三郷市文化会館内1階
【電話&FAX】048-957-9600
【E-mail】aoisora@oasis.ocn.ne.jp
【営業時間】火〜日曜日 10:00〜18:00
※月曜日定休日

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